例文と注意点を解説
退職意思をメールで伝える場合のポイントや例文、退職届との違いをわかりやすく解説します。
「退職したいけど直接言えない…」メールで伝えても大丈夫?
「上司に直接、退職したいと言いづらい…」
「電話だと緊張してうまく話せない…」
「とりあえずメールで退職したいと伝えたい…」
退職を考えていても、上司へ直接伝えることに大きな負担を感じる方は少なくありません。
結論からお伝えすると、退職の意思を伝える方法が必ず対面や電話でなければならないとは限りません。
厚生労働省の資料でも、退職意思を書面で行うことを一律の要件とすることには慎重な検討が必要とされており、「書面でなければ退職意思表示ができない」という整理にはなっていません。
そのため、事情によってはメールで退職意思を伝えることも考えられます。
ただし、「メールを送った=すべての退職手続きが完了する」とは限りません。
会社の就業規則や雇用契約、雇用形態などを確認したうえで進めることが大切です。
この記事では、
・退職意思をメールで伝える場合のポイント
・そのまま使えるメール例文
・退職メールと退職届の違い
・メールで伝えるときの注意点
について分かりやすく解説します。
退職意思はメールで伝えてもいい?
退職を伝えるときに大切なのは、本人の退職意思を会社へ明確に伝えることです。
厚生労働省は、期間の定めのない労働契約について、労働者はいつでも退職を申し出ることができ、法律上は原則として退職の申出から14日を経過したときに退職となると案内しています。
一方で、就業規則に合理的な退職手続きが定められている場合には、その内容も確認する必要があります。
そのため、
「メールを送れば絶対に退職できる」
「会社指定の手続きは全部無視していい」
という意味ではありません。
まずは就業規則などを確認しましょう。
メールで退職を伝える前に確認すること
メールを送信する前に、いくつか確認しておきたいポイントがあります。
就業規則を確認する
会社によっては、
・退職希望日の○日前までに申し出る
・直属の上司へ申し出る
・退職届を提出する
などの退職手続きが就業規則に定められていることがあります。
厚生労働省も、一般的に就業規則等には退職手続きが定められているため、内容を確認して適切な手続きを取ることがトラブル防止のために重要と案内しています。
メールを送る前に確認しておきましょう。
無期契約か有期契約か確認する
正社員だから無期契約、契約社員だから必ず有期契約とは限りません。
自分の雇用契約に期間の定めがあるかを確認することが重要です。
期間の定めのない労働契約では、民法627条に基づき原則として退職の申出から2週間で労働契約が終了すると厚生労働省は説明しています。
一方、有期労働契約では扱いが異なり、契約期間中の退職には原則として「やむを得ない事由」が必要とされています。
退職をメールで伝えるときのポイント
メールで退職意思を伝える場合は、曖昧な文章にならないよう注意しましょう。
特に、
✅ 自分の氏名
✅ 退職したい意思
✅ 希望する退職日
✅ 今後の手続きについて確認したい旨
などを記載しておくと、会社側にも内容が伝わりやすくなります。
「仕事を続けるのが難しいです」
だけでは、単なる相談なのか退職意思なのか分かりにくくなる可能性があります。
退職する意思を伝えたいのであれば、そのことが分かる文章にすることが重要です。
【例文】上司へ退職をメールで伝える場合
件名:退職についてのご連絡
○○部
○○様
お疲れ様です。○○です。
突然のご連絡となり申し訳ございません。
一身上の都合により、○月○日をもって退職したく、ご連絡いたしました。
本来であれば直接お伝えすべきところ、メールでのご連絡となりましたことをお詫び申し上げます。
退職に必要な手続きや提出書類等がございましたら、ご教示いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。
○○ ○○
【例文】直接話すことが難しい場合
件名:退職に関するご連絡
○○様
お疲れ様です。○○です。
突然のご連絡となり申し訳ございません。
諸事情により、現在直接お話しすることが難しいため、メールにて失礼いたします。
一身上の都合により、退職を希望しております。
希望退職日は○月○日です。
今後必要となる手続きや書類、貸与品の返却方法についてご連絡いただけますでしょうか。
お手数をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。
○○ ○○
【例文】出社することが難しい場合
件名:退職について
○○様
お疲れ様です。○○です。
突然のご連絡となり申し訳ございません。
現在、出社して直接お話しすることが難しい状況のため、メールにてご連絡いたしました。
退職を希望しております。
今後の退職手続きについて、郵送等で対応可能な方法がございましたらご案内いただけますと幸いです。
また、会社からお借りしている物品についても、指定の方法にて返却いたします。
何卒よろしくお願いいたします。
○○ ○○
退職メールと退職届は何が違う?
「退職メールを送れば、退職届はいらないの?」
と疑問に思う方もいるでしょう。
ここで注意したいのが、「退職願」「退職届」「メール」という名前だけで法的な意味が必ず決まるわけではないことです。
厚生労働省は、「退職願」は一般に退職したいという意思表示ですが、その内容が「会社に承認してほしい」という合意退職の申込みなのか、「会社の承諾の有無にかかわらず辞める」という辞職の意思表示なのかで意味が異なると説明しています。
また、後者には「退職届」という名称が使われることが多いものの、名称が厳密に区別されない場合もあるとしています。
つまり重要なのは、書類やメールのタイトルだけではなく、どのような意思を会社へ伝えたのかという点です。
メールを送ったら退職届は不要?
会社から退職届の提出を求められることがあります。
就業規則等に退職手続きが定められている場合もあるため、メールで退職意思を伝えたあと、
「退職届も提出してください」
と言われた場合には、その内容を確認しましょう。
メールは会社への最初の連絡として利用し、その後に必要な書類を提出するという進め方も考えられます。
メールで退職を伝えるときの注意点
送信したメールを残しておく
退職に関するメールは削除せず、送信日時や内容を確認できる状態にしておくことをおすすめします。
特に、
「いつ退職を申し出たのか」
「どのような内容を伝えたのか」
を後から確認できるようにしておくことが重要です。
退職理由を詳しく書きすぎない
メールだからといって、退職理由を長文で細かく説明する必要があるとは限りません。
感情的な文章になったり、会社や上司への不満を大量に書いたりすると、その後のやり取りが複雑になる可能性があります。
まずは退職意思と必要事項を簡潔に伝えましょう。
「退職したい」と「退職します」は意味が変わる場合がある
ここは特に注意したいポイントです。
「退職させていただきたいです」
という表現が会社との合意を求める趣旨なのか、
「○月○日をもって退職します」
という確定的な意思表示なのかによって、法的な評価が異なる場合があります。
厚生労働省も、合意退職の申込みと一方的な辞職の意思表示を区別して説明しています。
トラブルがある場合には、自己判断せず専門家へ相談することも検討しましょう。
会社から「メールでは受け付けない」と言われたら?
まずは会社の就業規則や指定されている退職手続きを確認します。
そのうえで必要な書類がある場合には、提出方法について会社と確認しましょう。
ただし、期間の定めのない労働契約について、厚生労働省は、会社が退職を認めない場合でも、労働者が退職届を提出するなどして退職を申し入れれば、原則として2週間経過した時点で労働契約は終了すると説明しています。
会社から強く引き止められているなど、トラブルになっている場合には、労働局等の公的相談窓口や弁護士への相談も検討してください。
自分でメールを送ることも怖い場合
「文章を作ったけど送信ボタンを押せない」
「メールを送った後に上司から電話が来るのが怖い」
「会社ともう直接やり取りしたくない」
このような場合には、退職代行へ相談する方法もあります。
退職代行では、サービスの対応範囲内で本人に代わって会社へ退職意思を伝えます。
そのため、自分で退職メールを送ること自体が難しい方が利用を検討することもあります。
退職代行を利用するメリット
退職代行を利用することで、
✅ 自分で上司へ退職を切り出さずに済む
✅ 電話やメールで退職意思を伝える負担を減らせる
✅ 退職意思の伝達を任せられる
✅ 貸与品や必要書類について確認できる
などのメリットがあります。
ただし、退職代行サービスによって対応可能な範囲は異なります。
会社との交渉や法的トラブルが発生している場合などには、弁護士への相談が適切なケースもあります。
よくある質問(FAQ)
Q. LINEやメールだけで退職を伝えてもいいですか?
退職の意思表示について、法律上「必ず対面や電話でなければならない」とされているわけではありません。
ただし、会社の就業規則に退職手続きが定められている場合があります。
送信しただけで全ての手続きが完了したと判断せず、会社の規定やその後の手続きを確認しましょう。
Q. メールで退職理由を詳しく説明する必要はありますか?
必ずしも長文で詳しく説明する必要はありません。
まずは退職意思、希望する退職日など必要な情報を明確に伝えることが大切です。
Q. メールを無視されたら退職できませんか?
「会社から返信がない=必ず退職できない」とは限りません。
特に期間の定めのない労働契約では、厚生労働省は民法627条に基づき、原則として退職の申出から2週間を経過すると退職となると案内しています。
ただし、有期契約ではルールが異なるため注意してください。
Q. 退職届はメールで送れますか?
会社が電子的な提出を認めているかは会社ごとに異なるため、一律には確認できません。
メールで退職意思を伝えたうえで、会社から紙の退職届を求められた場合には、提出方法を確認しましょう。
Q. メールを送った翌日から会社へ行かなくても大丈夫ですか?
「退職意思をメールで伝えること」と「翌日から出社しなくてよいこと」は別問題です。
退職日、有給休暇、欠勤の扱いなどによって異なります。
メールを送っただけで翌日から自動的に出勤義務がなくなる、と考えないよう注意が必要です。
まとめ
退職を伝えることに大きなストレスを感じ、
「上司へ直接言えないからメールで伝えたい」
と考える方もいるでしょう。
退職意思を伝える方法が、必ず対面や電話でなければならないわけではありません。
一方で、メールを送信しただけで全ての退職手続きが終わるとも限りません。
①就業規則を確認する ②雇用期間の定めを確認する ③退職意思を明確に伝える ④送信内容を保存する ⑤必要な退職手続きを確認する
この5点を意識して進めましょう。
自分で会社へメールを送ることも難しい場合には、退職代行など第三者へ相談する方法もあります。
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