会社に断られたらどうする?
退職前の有給取得と会社の時季変更権についてわかりやすく解説
「退職前に残っている有給休暇を全部使いたい。」
しかし会社から、
- 「忙しいから有給は認められない」
- 「引き継ぎが終わるまで有給は使えない」
- 「退職する人に有給は使わせない」
と言われ、不安になる方は少なくありません。
結論から言うと、退職日までに残っている年次有給休暇は、原則として取得できます。
会社には一定の場合に「時季変更権」がありますが、退職日が決まっているケースでは認められないことが多いと考えられています。
この記事では、
- 有給休暇は全部使えるのか
- 会社に断られた場合の対応
- 時季変更権とは何か
- 引き継ぎとの関係
をわかりやすく解説します。
退職前の有給休暇は全部使える?
原則として、退職日までに残っている有給休暇は取得できます。
年次有給休暇は労働基準法第39条で認められた労働者の権利です。
退職予定者であっても、この権利は変わりません。
例えば、
- 有給残日数:15日
- 最終出勤日:6月30日
- 退職日:7月20日
であれば、退職日までに15日取得することは可能です。
会社は有給を断ることができる?
会社は無条件に断ることはできません。
会社には「時季変更権」があります。
これは、
「別の日に有給を変更してほしい」
とお願いできる制度です。
しかし、
退職日が決まっている場合は変更する日が存在しません。
そのため、多くの場合は時季変更権を行使できないと考えられています。
時季変更権とは?
時季変更権とは、
会社の正常な運営を妨げる場合に、有給取得日を変更できる制度です。
ただし、
- 有給をなくす権利ではない
- 取得を永久に拒否する制度ではない
という点が重要です。
退職日以降へ変更することはできないため、退職予定者への適用は限定的です。
「引き継ぎがあるから有給は使えない」と言われたら?
引き継ぎが必要という理由だけでは、有給取得を拒否できるとは限りません。
もちろん、
- 業務内容を整理する
- 引き継ぎ資料を作成する
- 後任へ説明する
など、可能な範囲で協力することは大切です。
しかし、
- 引き継ぎが終わるまで退職できない
- 有給を全部取り消す
- 有給を認めない
という対応が当然に認められるわけではありません。
有給取得前に引き継ぎを終わらせる方法
トラブルを避けるためには、最終出勤日までに準備しておくことがおすすめです。
例えば、
- 業務一覧を作成する
- 顧客情報を整理する
- 進行中案件をまとめる
- パスワード管理方法を共有する
- 保管場所を記載する
- 注意事項をまとめる
などです。
メールやWordで提出しておくと、記録も残ります。
会社から「有給は認めない」と言われた場合
まずは理由を確認しましょう。
その上で、
- 有給申請書を提出する
- メールでも申請する
- 記録を残す
ことが大切です。
感情的にならず、やり取りを残しておくことで、後日の確認もしやすくなります。
有給を使うと退職日は延びる?
原則として延びません。
例えば、
最終出勤日:6月30日
有給取得:7月1日〜7月20日
退職日:7月20日
という形は一般的です。
会社が一方的に退職日を変更することはできません。
会社から「退職日を延ばして」と言われたら?
会社から相談されることはあります。
本人が納得すれば変更できます。
ただし、
- 引き継ぎが終わるまで
- 後任が決まるまで
- 人手不足だから
など期限のない延長には注意しましょう。
変更する場合は、
「○月○日まで」
と明確に決めることが大切です。
有給取得中でも会社から連絡は来る?
必要な確認で連絡が来ることはあります。
電話対応が難しい場合は、
現在、有給休暇取得中のため、確認事項はメールでお願いいたします。
と伝える方法もあります。
有給を全部使ったら損害賠償される?
有給休暇を取得したことだけで損害賠償になることはありません。
ただし、
- 故意にデータを削除した
- 機密情報を持ち出した
- 貸与品を返却しない
- 業務妨害をした
など別の問題行為がある場合は別です。
退職代行へ相談する方法
会社が、
- 有給を認めない
- 出社を強要する
- 電話が怖い
- 上司と話せない
という状況であれば、退職代行へ相談する方法もあります。
サービス内容によっては、
✅退職意思の連絡
✅有給取得希望の伝達
✅会社との連絡窓口
✅貸与品返却方法の確認
などを依頼できる場合があります。
※法律上の交渉が必要な場合は、弁護士または労働組合が対応可能な範囲を確認しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 有給は全部消化できますか?
退職日までに取得できる日数が残っていれば、原則として取得できます。
Q. 会社が認めないと言っています。
まずは理由を確認し、メールなど記録が残る方法で申請しましょう。
Q. 引き継ぎが終わっていません。
可能な範囲で資料を作成し、会社へ提出することが望ましいでしょう。
Q. 有給中に出社しろと言われました。
有給休暇は労働義務が免除される制度です。事情を確認し、必要に応じてメールで対応できないか相談しましょう。
Q. 後任が決まるまで有給は使えませんか?
後任者の採用や配置は会社側の問題です。後任が決まらないことだけを理由に有給取得を拒否できるとは限りません。
まとめ
退職前の有給休暇は、原則として取得できます。
退職日が決まっている場合、会社の時季変更権は認められないケースが多くあります。
有給取得前には、
①退職日を明確にする
②有給を申請する
③引き継ぎ資料を作成する
④メールなど記録を残す
⑤貸与品を返却する
⑥会社とのやり取りを保存する
⑦対応が難しい場合は退職代行や専門家へ相談する
という流れで進めると、退職手続きを円滑に進めやすくなります。
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参考法令
- 労働基準法第39条(年次有給休暇)
- 厚生労働省「年次有給休暇の取得促進について」
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