退職後の企業年金・iDeCoはどうなる?転職時に確認したいポータビリティ

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会社を退職するとき、

「健康保険はどうする?」

「離職票はいつ届く?」

「最後の給与はいつ?」

といったことは確認していても、意外と忘れやすいのが企業年金やiDeCoです。

「会社を辞めたら、これまで積み立てた企業年金はどうなる?」

「転職先に企業型DCがあったら移せる?」

「企業型DCからiDeCoへ移換できる?」

こうした疑問を持つ人もいるでしょう。

厚生労働省は、離職・転職した場合などに、企業年金やiDeCo等で積み立てた資産を、条件によって別の年金制度へ持ち運べる場合があると案内しています。

これを「ポータビリティ」といいます。

退職するときは「会社を辞める手続き」だけでなく、自分が加入している年金制度についても確認することが重要です。

そもそも企業年金とは?

企業年金は、公的年金に上乗せする形で企業が実施する私的年金制度です。

代表的なものには、

確定給付企業年金(DB)

企業型確定拠出年金(企業型DC)

などがあります。

また、自分で加入する個人型確定拠出年金がiDeCoです。

厚生労働省によると、確定拠出年金には企業が実施する「企業型DC」と、個人で加入する「iDeCo」があります。

まず重要なのは、

「自分が何の制度に加入しているのか」

を確認することです。

会社を退職したら企業年金はどうなる?

ここで、

「会社を辞めたら、それまで積み立てた年金資産もなくなるの?」

と不安になる人もいるかもしれません。

退職したからといって、一律に「それまでの年金資産がなくなる」と考えるのは適切ではありません。

厚生労働省は、企業年金やiDeCoなどについて、加入者等が離職・転職した場合や勤務先の制度が変わった場合に、積み立てた資産を他の年金制度へ持ち運べる場合があると説明しています。

ただし、

「どの制度から」

「どの制度へ」

移換するのかによって扱いは異なります。

すべての制度間で自由に移せるわけではありません。

「ポータビリティ」とは?

ポータビリティとは、簡単にいえば、

転職・退職などをしたときに、それまで積み立てた年金資産を別の制度へ持ち運ぶ仕組み

です。

厚生労働省は、対象となる主な制度として、

・確定給付企業年金(DB)
・企業型確定拠出年金(企業型DC)
・個人型確定拠出年金(iDeCo)
・通算企業年金
・中小企業退職金共済

などを挙げ、どの制度からどの制度へ移換できるのかを一覧で公開しています。

ただし、移換先の制度や規約、転職先で導入されている制度などによって条件があります。

そのため、

「転職したら必ずiDeCoに移す」

「企業年金なら何でも転職先へ移せる」

と一律には考えないことが大切です。

企業型DCに加入していた人は特に確認

退職時に特に注意したいケースの一つが、企業型DCに加入していた場合です。

厚生労働省によると、企業型DCからは、

・iDeCo
・通算企業年金
・転職先の企業型DC
・一定の条件を満たす転職先のDB

などへ資産を持ち運べる場合があります。

転職先に企業型DCがあるかどうかなどによっても、確認する内容が変わります。

だからこそ、退職時には、

「今の会社で企業型DCに加入しているか」

だけでなく、

「次の会社にはどの年金制度があるか」

まで確認することが重要です。

企業型DCは「6か月」に注意

ここは特に重要です。

企業型DCの加入者だった人が退職・転職などで加入者資格を喪失した場合、厚生労働省は、6か月以内に所定の移換等の手続きを行わなかった場合、資産が国民年金基金連合会へ自動移換されると案内しています。

「会社を辞めたから、企業型DCもそのままにしておけばいい」

とは考えないほうがよいでしょう。

自動移換されるとどうなる?

厚生労働省によると、自動移換された場合には、

・資産が運用されない
・管理手数料の負担が発生する
・自動移換中の期間は、老齢給付金の受給要件となる通算加入者等期間に含まれず、場合によっては受給可能年齢が遅くなる

といった点があります。

そのため、企業型DCに加入している人は、退職後に放置しないことが重要です。

なお、一定の場合には本人からの移換申出なしで移換処理が行われる仕組みもあります。自分に必要な手続きは加入状況や転職先の制度によって異なるため、最新情報を確認しましょう。

企業型DCからiDeCoへ移換できる?

企業型DCの加入者が退職・転職によって資格を喪失した場合、企業型DCの資産をiDeCoへ移換することができます。

反対に、iDeCo加入者等が転職して企業型DCの加入者となった場合には、iDeCoの資産を企業型DCへ移換できる場合があります。

厚生労働省のiDeCoに関する案内でも、この相互の移換について説明されています。

ただし、転職後の加入状況などによって必要な手続きが異なるため、実際の移換については制度の案内を確認してください。

DB(確定給付企業年金)の場合は?

現在の会社でDBに加入している場合も、退職時に確認が必要です。

厚生労働省によると、DBからは条件に応じて、

iDeCo

通算企業年金

転職先の企業型DC

転職先のDB

などへ持ち運べる場合があります。

ただし、転職先のDBへの移換などでは、転職先のDB規約の定めが関係します。

つまり、

「DBに入っていたから、必ず転職先のDBへ移せる」

というわけではありません。

自分が加入している制度と、移換先の制度・条件を確認する必要があります。

iDeCoをしている人が転職したら?

すでにiDeCoを利用している人も、転職によって勤務先の企業年金制度が変わる場合があります。

厚生労働省のポータビリティ一覧では、iDeCoから企業型DCへの移換や、一定条件を満たすDBへの移換が示されています。

転職先でどの制度が導入されているのか確認したうえで、自分の場合に必要な手続きを確認しましょう。

中小企業退職金共済も「何でも自由に移換」ではない

勤務先によっては、企業年金ではなく中小企業退職金共済(中退共)に加入している場合もあります。

厚生労働省のポータビリティ表には中退共も含まれていますが、企業年金との移換には条件があり、合併等の場合に限られる組み合わせなどもあります。

そのため、

「中退共のお金も、転職したらiDeCoへそのまま移せる」

などと考えないよう注意しましょう。

中退共は企業年金とは制度の仕組みも異なります。

退職・転職時に確認したい5項目

難しい制度名をすべて覚える必要はありません。

退職を考えているなら、まず次の5つを確認してみましょう。

  1. 現在どの企業年金・退職金制度に加入しているか
  2. 現在の年金資産をどこへ移換できるのか
  3. 転職先にはどの企業年金制度があるのか
  4. 自分で手続きが必要なのか
  5. 手続き期限はいつなのか

特に企業型DCに加入している場合は、前述した資格喪失後6か月以内の移換等について確認することが重要です。

「会社を辞めること」だけで頭がいっぱいになっていませんか?

退職するときは、

「上司にどう伝える?」

「退職日はいつ?」

「会社から何が届く?」

「最後の給与は?」

と、考えることがたくさんあります。

そのため、企業年金まで頭が回らないこともあるでしょう。

しかし企業年金やiDeCoは、これまで積み立ててきた自分の老後資産に関係するものです。

厚生労働省の年金ポータルでも、転職・退職するときには企業年金の手続きを忘れず確認するよう案内しています。

退職を決めたら、

「自分は企業年金に入っている?」

これも確認項目の一つに加えておきましょう。

退職前に「年金資産」も確認しておこう

退職は、その会社との雇用関係を終えるだけではありません。

給与、社会保険、書類、そして企業年金など、退職をきっかけに確認が必要になるものがあります。

特に企業年金については、

加入している制度は何か。
資産をどこへ移せるのか。
転職先にはどんな制度があるのか。
いつまでに手続きが必要なのか。

を整理しておくことが大切です。

「退職することで頭がいっぱいで、何から確認すればいいか分からない」

そんな段階でも、退職サポートDREAMへご相談ください。

退職についてひとりで抱え込まず、まず現在の状況を整理するところから始めてみてください。

LINE相談は24時間受け付けています。

※本記事は2026年9月13日時点の厚生労働省公開情報をもとに一般的な制度を整理しています。実際に移換できる制度、必要な手続き、期限等は加入制度・転職先の制度・規約などによって異なります。個別の手続きは加入している企業年金、運営管理機関等の案内および厚生労働省等の最新情報をご確認ください。

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